dairy3/26 白わんことの再会(※オチがない読み物)
それも頻繁に目にするのは、飼い犬ではなく野良犬ばかり。
なんでも、タイでは宗教の教えにより犬を殺傷することが禁じられており、それを破ると地獄に落ちると言われているらしい。
そういった背景から、心無い飼い主は犬を捨てる場合、大抵大学にもっていく。
そして捨てられた犬は大学や歩道の隅っこ、コンビニの前に住み着き、道行く人からごはんをもらって生活しているのだ。
(※タイで有名なセブン犬(セブンイレブンの入り口に定住している犬たち)に関しては後日、あらためて説明したい。)
わたしはいまアソークに住んでいる。
アソークにもたくさんの野良犬がいるのだが、毎日見ているうちにだんだん愛着が生まれた犬が何匹かいる。
近くにいるタイ人に名前を教えてもらったり、時にはじぶんで名前をつけることもある。
なぜ突然犬の日記を書いたのかというと、それは数週間前にヒトメボレをした、一匹の白わんことぐうぜん再会したからだ。
名前はくりりん。(勝手につけた)
名前の由来は、くりくりした目で顔をじーっと見つめてくるからだ。
くりりんとわたしが初めて出会ったのは数週間前の昼下がりの午後。その日はお客さんと会う約束をしていて、駅に向かっている途中だった。
すこし急ぎ足で馴染みのマッサージ屋さんの前を通り過ぎようとしたとき、お店の前に真っ白で目がくりくりした犬がちょこんと座っていたのだ。
まるでお人形さんのような愛らしい表情を向けてきた犬、それがくりりんだった。
*紙カップを咥えて必死に逃げようとするくりりん。
わたし
(「か…かわいいっっ!これは写真に収めなければ!早く早く!!」)
そんな私の思いとは裏腹に、カメラを向けるといきなり動き出すくりりん。
どうやら何かを発見したようだ。
カプッと口にくわえたのは、焼き菓子を包む紙製のカップ。
くりりん
「これはオレのだ!見つかる前に早く隠さなきゃ!早く早く!!」
わたし
(「そんなの誰も取んないよ、お兄さん……。って、あぁ!!写真がブレてるッッッ!」)
その後ちょこっと粘ったけど、念願のちょこんと座った写真は結局撮れずじまい。
*焦りすぎて紙カップを草の中に落として無くしたくりりん。
そんな数週間前の笑撃的な出会いから、きょう道端でばったり再会。
きょうはわたしも急ぎの用事がなくて、幸いにも紙カップも無かったのでw
たっぷりなでなでさせてもらった。
*わたしの撫でテクに翻弄され、下僕のように従順になったくりりん。
くりりんよ。
きみはかわいい。
もし、ここが実家の近くだったら……
きみを問答無用で連れて帰っていたにちがいない。
でもね、
これだけは言いたいんだ。
わたしの太ももの間に顔を突っ込んでクンクンするのはやめておくれ。