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Homilog

たまに頑張る。

石黒先生の「未踏」イベントレポートでボツになったけど個人的には印象に残ったところ

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  • 「未来を予測するのに最善な方法はそれを創ることだ」

別に大学生っていうルールはないと思うんですが、どうして今の大学や学科を選んだのだとかというと、はっきりいって偏差値だけで選んでると思うんです。

僕は最初から大学を目的で選べとは言わないです。大学で何をやりたいか分からないのは当然なんですから。だって、色々なことを知って経験しないと何やりたいか分からないでしょ。でも、大学に入るとそろそろ社会に出て自分が何をしたいのか、何を作りたいのかぼんやりと見えてくるはずですよね。

つまり、僕がいいたいのは、いい加減その偏差値というレールから外れて本当にやりたいことに挑戦していって欲しいということ。これまでは、大学に行って、大企業に入って、レールに乗るような社会っていうのが学生の理想だったような気がします。

でも、そういう時代ではなくなってきている。

日本も要するにアメリカのモノマネをして物を作っていればいい時代ではなくて本当にクリエイティブなところで勝負をしないと努力だけで豊かな生活を送れる時代は過ぎたとということですね。

本当の人生の選択をしないといけない局面において、ぜひ自分の可能性を試してもらいたい。これは僕自身の思っていることなんですけれども、この世界で技術者として生きていくにはいくつかの基本的な問題があるということですね。それは未来は誰が知っているのかということ。これは僕の言葉ではなくて、アラン・ケインの言葉なんですけど「未来を予測する最善の方法はそれを創ることだ」という名言がある。つまりこれは、未来は技術者、クリエイティブな人間しか知らないと。クリエイティブな人間が未来をこう作りますという提案をして、それが実現しているのが未来ですから。もちろん、リスクはあるけど、技術者には未来を作れるほどのクリエイティブな活動にどんどん挑戦をしていってもらいたいんです。

 

  • 人間の進化と技術の進歩の関係性について

技術っていうのは常に人間にとって進化の方法であるんです。動物と人間の違いは技術とか道具を使うかどうかというところですね。だから人間の進化と技術を分けて考えるということはありえない。

あと遺伝子以外にも技術という進化の方法を持っているのが人間だということですね。人間って社会的な生き物です。要するに物を作って売ろうと思ったら社会を見ないといけないし、社会がなければ知能も発達しないので社会を無視することはできないんですよ。つまり、すべての答えは社会にあるんじゃないかなと思います。

 

  • 自分がつくれそうな未来を考えた時に、ロボットの世界がイメージできた

自分自身の生きる目的とか人間の生きる目的とは何なんだということですね。お金を儲けることなのかご飯を食べることなのか、それとも他に何かあるのかということなんですけど、そういう自分の深い目的に向きあえば、チャレンジするネタはいくらでもあるはずだということです。

私自身の未来というか、自分が作れそうな未来っていうのは、こういう世界だということでロボットだったり、人間型ロボット「アンドロイド」の世界を作ろうと思ったんです。それでロボット社会を実現して、その中でいろんな世の中で広く使ってもらえるロボットを作りたい。

ロボットを実現するために、ハードウエアの問題はほぼ解決できたんですけど、今後はソフトウェアが重要になってきますね。だからこの未踏で多くの挑戦者が今後ロボットにももっともっと広く関わるようになったらなと思うわけです。

 

  •  わたしたちが使う未来の「メディア」の”インターフェース”はロボット

このロボットの研究というのは、私は特にそうなんですけど、完全にメディアの研究だと思っています。メディアの研究において重要なのは、すべてが人間らしくなるということ。人にとって最も理想的なのはインターフェースというのは人であって、ロボットの研究=人の研究ということなんです。

つまり、ロボットに限らずメディアの研究、情報・コンピューターの研究、すべては人を認識するためだったり、人に向いているわけですよね。だって、コンピューターのシステムとかロボットのシステムを相手にするのは結局”人”なわけですから。

 

  • 新しい技術がわたしたちの世界に入りこむための最初の経路は「ゲーム」

世の中どうなるかというと、新しいメディアが出たら必ず始まるのがゲームですね。どんな場合も必ずゲームからスタートします。携帯でもそう、パソコンでもそうです。ゲームっていうのはコンテクストがあるので誰でも簡単に無条件に楽しめるわけです。また、楽しみたいという欲求は誰でも持っているわけですからね。ゲームの次に出てくるのは学習用の教材とかですね。英語、特に言語教育にはロボットが非常に向いているのかなと思います。

子供とか大学生とか、若い人たちがロボットとか新しいメディアに慣れてくると徐々に一般の人たちも使えるようになって高齢者の対話相手としても受け入れられるようになるというのが、ロボットが世の中に出て行くストーリーだと思います。もちろん他のメディアもクラウドコンピューティングとかいろいろなものが進むんですけど、一メディアとしては今後ロボットがさらに広がってくるように思います。

 

  • これからの研究、製品開発では「ボーダレスであること」が主流になってくる

脳科学とか認知科学だけでは「人」って測りきれないんです。重要なのはすべてのシステムとか製品は人の為に作られているということです。人に関する深い知識がないとヒット商品はなかなか作れないはずなんです。ところが脳科学とか認知科学は脳の基本的な機能ばかりを見ていて、全体的な働きを見ることがなかなかできない。

しかし、ロボットであれば違った角度からの人間理解が生まれるわけです。そのためには、認知科学、哲学も含めて全くボーダーレスな研究が必要となってくる。それが私のやり方です。 

実は、これって製品開発においても同じことが言える。従来は、すでに要求のある環境ではっきりと指示されているなかで開発をしてきたと思うんです。自動車とか冷蔵庫とか、そういう白物家電と言われるものがまさにそうです。

しかし、これからは人が要求をはっきり出さないけど、人に受け入れられるようなものが増えていきます。スマートフォンもその一種ですね。特に無くても困らないけど、一回それに適用してしまうと中々離せない、というような。ロボットも同じようなことですね。だからこそ、そういうものを作るには人間に関する深い知識がより必要になってきます。


スマートフォンゲームの世界ではすでに脳科学とかなり結びついて、脳の解析なんかをして、人をのめり込みやすくさせるゲームをどう作るのかという研究もありますね。今後はそういった研究分野がボーダレスになっていくのかなと思います。

そこで、”そういった研究”とは何かという話しになるんですけど、これは意外に大学で教えてくれない。大学で教えると不都合なことがいろいろありますから。人気ない研究をするともっと人気がなくなってしまうような。(笑)

要するに、研究とは誰も知らないこと新しいことを発明したりすることなんです。これは当たり前ですが、あまり明確に言う先生はいないんじゃないかなと思います。

 

  • 「研究・製品開発とは新しい概念をつくるということ 」

これは技術とも製品開発とも置き換えてもらってもいいと思うんですけど、研究とは新しい概念を作るということであって、一つの製品だけをつくっても会社はうまくいかないんです。製品の寿命というのは永遠ではないですから。いろいろなものをどんどん作ろうと思うと新しい概念を作るというのが大事かなと思います。

 そのときに注意したいのが、その研究や製品がどの分野に属するかというのが明確にわかっている場合は”半分”新しくないんだということですね。本当に新しいものは何者か分からないわけです。「私はロボットの研究をします」と言った時点でその人は半分研究を諦めているというのと同じですね。何か分からない研究をしなければならない。それゆえに、先生の研究を真似しても研究者にはなれないということですね。